桃鉄にでてくる総資産と収益とは
桃太郎電鉄(通称:桃鉄)というゲームをご存じでしょうか。
30年以上のロングセラーソフトなので聞いたことある方は多いと思います。
昨年11月に最新版が発明されて現在大ヒットしております。
桃鉄の中で総資産と収益というものが出てきます。
幼少期の私は
「なぜか2つの指標ランキングがあって、最終ランキングは総資産だけ見ているなー」
くらいしか感じませんでした。
しかし、久しぶりに(25年ぶり!?)にやってみて、上手くできているなと感心したのでご紹介します。
この総資産と収益の考え方は実生活でも非常に役立つ考え方だと思います。
桃鉄とは
まず桃鉄について簡単にご説明します。
サイコロ振って、全国回って、物件を買い集め、総資産が多い人が勝ち。
というゲームです。
気になる方はこちらに詳しくあります。
ここで、年に1回決算という成績ランキング発表がございます。
まず、収益のランキング発表
そして、総資産のランキング発表
があります。
なぜ2つあるのか。
収益と総資産とは何が違うのかを解説していきます。
桃太郎電鉄から学ぶ資産と収益
前提
2020年度(2020年4月から2021年3月)で以下の行動をとったとします。
・2020年4月は現金1億円
・2020年6月に現金3億円の収入(桃鉄は青色マスにとまると貰える)
・2020年9月に3億の物件購入(利益率10%)
現金は1億円へ
・2020年12月に現金2億円の収入
現金は3億億円へ
・2020年3月に決算。現金は3億億円を保持。
簡単な解説
この場合の決算は
収益=3億×10%=3,000万円
総資産=3億(現金)+3億(物件)+3,000万=6億3千万円
となります。
そしてランキングは総資産で考えます。
まず、イメージしにくいのが物件2億を足しているところだと思います。
これは下記のように考えましょう。
ここで上記前提を改めて見ると支出がないです。
そして現金の収入は合計で5億あります。
そのうち、3億が現金から物件へ変わっただけで”価値”は不変です。
現金は減りますが、価値も減るなら購入する意味がないからです。
次に収益についてです。
これは物件(3億)を持っているだけで稼げる収益です。
ゲームではわかりやすく3/31に一括で貰える仕様となっています。
なので、4月になったら3,000万円増加しています。
桃鉄ではランキングを総資産で考えます。
家計管理でも大事なのは総資産なのです。
収益は総資産管理のための”経過管理”であり、最終的に見るべきなのは総資産です。
しかし、実際は総資産管理を実施していない家庭が多いと思います。
市販の家計簿は収益管理にフォーカスされており、総資産管理は考慮されておりません。
なので、家計簿は自作することをおすすめします。
(参考)最強の家計簿のつけ方
少々難しめの解説
世の中全ての数値指標は
ストック指標とフロー指標に分類されます。
ストック指標とはある1時点の状況を示す指標です。
フロー指標とはある1期間の状況を示す指標です。
ストック指標(時点0)+フロー指標(時点0から時点1)
=ストック指標(時点1)
となります。
桃鉄の場合だと
フロー指標は収益
ストック指標は総資産
となります。
家計管理(1か月の場合)の場合は
フロー指標は今月の収入・支出
ストック指標は残高
です。
家計管理では、フロー指標とストック指標という概念が分かれていることをまず認識して、フロー指標だけでなく、ストック指標も管理することが重要です。
ちなみに会計では
フロー指標はPL
ストック指標はBS
です。
倒産は単年度赤字(フロー指標PL)では起きる可能性は低いですが、債務超過(ストック指標BS)だと可能性が高いです。
すなわち、最終的にはストック指標のほうが重要なのです。
(おまけ)会計知識がある方向け
上記の例を会計視点で表すと上記のようになります。
<2020年3月31日時点のストック>

<仕訳>
2020年6月 (借方)現金3億円 (貸方)収益(青色マス)3億円
2020年9月 (借方)物件3億円 (貸方)現金3億円
2020年12月 (借方)現金2億円 (貸方)収益(青色マス)2億円
2021年3月 (借方)現金3千万円 (貸方)収益(物件収益)3千万円
<2020年年度のフロー>
収益 3億円(青色マス)+2億円(青色マス)+3千万=5億3千万円
支出 0円
当期純利益 5億3千万円
⇒純資産へ計上
<2021年3月31日時点のストック>

会計視点では上記のようになります。
なので、桃鉄を真面目に会計で表すと
収益は5億3千万円となります。
家計管理も会計管理のように考えていくことが大事です。
まとめ
桃鉄を通して、総資産と収益の考え方の違いについて説明してみました。
本記事でご理解いただきたい内容は
・収益より総資産が重要
⇒家計管理においても支出管理だけでなく、総資産管理を見たほうがよい。
・ストック指標とフロー指標の違い
⇒自作家計簿を作成するうえで、ストックとフローを意識してツールを作ることがポイント
です。
桃鉄やっていて、総資産と収益の違いは一体なんだ!?と気になった方々への一助となれば幸いです。
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