リスクとは
投資を考えるときは、”リターンとリスク”を考えると思います。
リターンとリスクは様々な考え方・概念があります。
一般的には、わかりやすい方法として統計概念が使用されます。
リターンは平均値
リスクは標準偏差
です。
今回は平均値と標準偏差をドラゴンボールを例えに説明していきます。
ドラゴンボールの知識は前提であることはご容赦ください。
戦闘力と標準偏差
ドラゴンボールの世界では戦闘力というものがあります。
ここで悟空は日によって調子が変わり、戦闘力が変わるとします。
(ちなみに戦闘力イメージはギニューと戦っているあたりで。)
1日目:10万
2日目:20万
3日目:15万
4日目:12万
5日目:18万
とします。(悟飯なみのブレ幅。たとえは悟飯のほうがよかったかも。)
平均値は理解しやすいと思います。
全て足して日数分割るだけです。
\begin{eqnarray}
平均値 &=& \frac{10万+20万+15万+12万+18万}{5} \\
&=& 15
\end{eqnarray}
厳密に考えると、平均値はルベーグ積分で表現されます。
深く難しい話なのでここでは省略します。
ここで戦闘力のブレ幅に注目します。
ギニューの戦闘力は12万。
戦闘力を変更できないとします。(ホントは敵としてはめずらしく戦闘力変更タイプですが。)
悟空の平均値は15万なので、平均的にはギニューより上です。
しかし、1日目の場合は悟空の戦闘力は10万なのでギニューに負けてしまいます。
4日目は12万なので互角です。
では、戦闘力のブレ幅をどのように表現すればよいのでしょうか。
もっとも単純に考えるのは最大と最小の差です。
最大値:20万
最小値:10万
なので差は10万です。
ブレ幅は10万と捉えることができます。
もう少し真面目に考えます。
ブレ幅の逆、ブレていないとはどのような状態でしょうか。
ここで、ブレていない状態を平均値とします。
すなわち平均値のときがブレ幅0とします。
平均値との差分がブレ幅となります。
今、平均値は15万なので、各日付のブレ幅は
1日目:10万 ー 15万 = -5万
2日目:20万 ー 15万 = 5万
3日目:15万 ー 15万 = 0万
4日目:12万 ー 15万 = -3万
5日目:18万 ー 15万 = 3万
となります。
統計の役立つ概念は数値がたくさんあると理解しにくいので、1つにまとめる手法です。
ブレ幅も1つの数値にしたいです。
この場合シンプルに考えると、ブレ幅の平均値をとればよいと考えます。
\begin{eqnarray}
ブレ幅 &=& \frac{-5万+5万+0万+-3万+3万}{5} \\
&=& 0万
\end{eqnarray}
と0万になってしまいます。
これはプラスとマイナスで相殺してしまっているからです。
なので、絶対値を使用します。
\begin{eqnarray}
ブレ幅 &=& \frac{❘-5万❘+❘5万❘+❘0万❘+❘-3万❘+❘3万❘}{5} \\
&=& 3.2万
\end{eqnarray}
ブレ幅は3.2万と求まります。
この方法で求めた数値を平均偏差といいます。
しかし、絶対値とはいちいちプラスかマイナスか判断しなくてはいけないので、めんどくさいです。
かっこよく表現すると、数学的に扱いにくいです。
ここで、統計手法としては差分を2乗してプラスの世界で計算してから、√で戻すという技があります。
\begin{eqnarray}
ブレ幅 &=& \sqrt{ \frac{(-5万)^2+(5万)^2+(0万)^2+(-3万)^2+(3万)^2}{5} }\\
&=& 3.7万
\end{eqnarray}
これが標準偏差です。
一般的には標準偏差はありとあらゆるところで使用されます。
この場合、悟空の戦闘力の標準偏差は3.7万です。
戦闘力のブレ幅は3.7万ということです。
よって、平均値が15万なので
15万ー3.7万=11.3万
から
15万+3.7万=18.7万
と
戦闘力は11.3万~18.7万とも表すことができます。
ギニューの戦闘力は12万なので、基本は勝てるけど負ける可能性もあるという示唆になります。
まとめ
ドラゴンボールの戦闘力を使用して、ブレ幅や標準偏差を説明しました。
投資の世界ではこの標準偏差がリスクと表現されます。
リスクの把握は投資では重要です。
リスク計算の基礎概念を知っていただきたく、ご紹介いたしました。
リスク・ブレ幅・標準偏差に興味ある方々の一助となれば幸いです。
コメント
[…] O4セルに”=STDEV.S(L9:L2801)”と入力します。こちらは標準偏差を求めています。マーケットの世界では神様でもない限り母集団は把握できないので、標本標準編を使用します。この標準偏差がリスクです。標準偏差は統計の話ですので、詳細はこちらの記事で説明します。 […]